【ILPT便り】第226回『あれっ!伝え方間違えた??』

こんにちは。赤羽秀徳です。
 
療法士の皆さんは、普段の臨床で
 
「後は、自分でエクササイズしてくれれば
大分よくなっていくのにな~」
 
「どうして、自分ひとりでは
 やってくれないのだろう?」
 
などと、
 
なかなか自己管理してくれないため、
治療効果が続かず、悩むことはありませんか?
 
もしかしたら、
 
そんなときには、アドバイスの割合が
増えているかもしれません。
 
実は、
 
状況によっては、アドバイスが弊害に
なってしまうこともあります!
 
そうならないために
今回紹介したい解決のヒントの一つ。
 
それは、

【未来予測の質問】です。
 
これは、かなり応用範囲も広いです!
 


◇私の失敗例


  
すでに、ILPTセミナーでもお伝えしていますが、
 
私は、
 
患者さんに体調を自己管理して
いただきたいと思っていますので、

関わっている時間以外にできる
エクササイズをお伝えする、

あるいは、一緒に決めることが
多くあります。
 
以前、勤務していたクリニックでは、
初診から再診までの期間が一か月ほど
空くことが多かったので、

自己管理に向けた、エクササイズを
提供することが、ほとんどでした。
 
ところが、
 
再診のときに、ホームエクササイズを
確認すると、初診時に一緒に決めた
やり方とは、ほど遠い方法になって
いるケースも時々ありました。
 
つまり、

習得できていなかったわけですね。
 
では、

なぜこのようなことが起きるのか?
 
当然様々な原因がありますますが、
 
その一つひとつとして【未来予測】
不足が考えられます。
 


◇できるひととできないひとの差


  
例えば、

ホームエクササイズを一緒に決定し、
 
「これ、自宅でできそうですか?」

「はいできそうです」
 
で、終わりにして十分の方もいれば、
不十分の方もいらっしゃるでしょう。
 
その程度で十分だった方は、初めに話した際
自宅で、ホームエクサイズをしている
自分のイメージがきちんとできて、
モチベーションもあり、
 
・行う場所
 
・行う時間帯
 
・行う時の服装 
 
・行う頻度
 
・行っているときの、自分のポーズ
 
等が、
きちんとイメージできている
ことでしょう。
  
一方、
  
イメージできていない方は、
 
・どこでやるかは、後で決める
 
・気分が乗ったらその時やる
 
・頻度は、マチマチ
 
・エクササイズしている自分のイメージはない

など
 
という感じかと思います。
 


◇未来の予測を支援する!


 
そのような方が、自宅でスムーズに
エクササイズできるように我々は、
援助していく必要があります。
 
そこで、役立つものの一つが、前述の
 
【未来予測の質問】です。

・「自宅では、どこでできそうですか?」
 
・「いつできそうですか?」
 
・「毎日できそうですか?」
 
などと。

そうすると、
 
実際にやっているイメージが湧き
脳の学習にもなるでしょう。
 
その結果、

再診のときに、全く違った方法に
なってしまっていることも減るで
しょう。
 
完全ではないですが、効果はあると
感じています。

◇恐れへの対応


 
その他のケースでは、
イメージができていないのではなく、
 
・悪化の恐れ

・一人で行うことの恐れ 
 
などが

非常に強い方がいらっしゃいます。
 
あなたのケースではいかがですか?
 
私と一緒にやっているときいは、
平気で安心してやっているのですが、
自宅に戻ると、恐れが出てきてしまう、

とのことでした。

恐れが長く続くと、痛覚過敏の脳に
なってしまうので、

恐れは適度なもの、そして、短期の
ものに抑えたいですね。

ということで、
先ほどお伝えした

・時間
 
・場所
 
・回数 
 
  等のほかに
 
未来予測として
 
・恐れ 
 
という観点も入れておくと、
ホームエクササイズが
よりスムーズになっていくでしょう。 
 
そのようなケースには、
【未来予測の質問】として
 
・「自宅で一人でやって不安や、
  恐れはなさそうですか?」
 
・「もし、恐れがあるときに、やってみたら
  どんな気分になりそうですか?」
 
・「何もしないでいると、恐れは、
  減りそうですか?増えそうですか?」
 
など、
 
恐れに関しても、予測して、その時、
どう考え、どう行動するかを一緒に
いるときに、イメージしてもらいます。
 
大切なのは、

恐れをなくすことではなく、恐れを
感じたときに、
 
【どう考え、どう行動するか】です。
 


◇本日のまとめ

今回は、ホームエクササイズを例に

運動面と心理面の【未来予測の援助】を
しておくと、学習効果が高まり、
恐れも軽減できるでしょう、
 
ということを一緒に考えてみました。
 
未来予測するからこそ、しっかり
準備し、安心にもつながります。
 
【未来予測】という観点
 
よかったら、活用してみて下さい。

世界平和に向けて、できることからまず一歩。
  
すべての人々の素敵な笑顔のために。