【ILPT便り】第189回『慢性腰痛の対応で悩まないための「行動変容ステージ」活用法!』 

こんにちは。赤羽です。

あなたが関わる方で、

「運動した方がいいのは分かっているんだけど…」
 
「あまり食べ過ぎないほうがいいんだよね…」
 
など 
 
【変わりたい!】
 
 でも
 
【変わりたくない!】
 
という発言をされる方はいらっしゃいませんか?
 

 

 

これは、【両価性】と言われています。
(詳細は、後ほど)


 

 

 
もしかしたら、あなた自身もそんな経験があるかもしれませんね。
 

 

 

 
すべての行動には理由があります。
その行動の理由が理解できると不必要なイライラから解放され、スッキリします!
 
相手の行動の理解は、きっと皆さんも「興味」があるのではないでしょうか?
 
今回は、そんな相手の行動の理解に役立つ【行動変容ステージ】についてみていきましょう。
 
慢性腰痛の対応などの臨床、そして、私生活に絶対役立ちますので。
 

 
◇行動変容には、よくある“両価性”とは?
 

 
先ほど例にあげた
 
【変わりたい!】
 
 でも
 
【変わりたくない!】
 
というのは、
 
【行動変容ステージ】で考えると普通のことだといわれています。
 
この状態は、前述したように
 
<両価性>の状態
 
といわれています。
 
そして、
 
それは5つあるステージでいうと
初めの2つのステージの状態です。
 
このステージに状態のときには、直接行動を促すような

・情報提供
 
・アドバイス
 
をするよりは、
 
 ↓
 
まずは、しっかり相手の状況を把握するために、
 
・傾聴し、
 
・共感
 
したうえで、【動機付け】をすることが肝要とされています。
 
つまり、
 
「これやってみたらいいですよ!」
 
という感じよりは、
 
  ↓
 
「どんなことを期待してますか?」
 
「いままで随分頑張ってきましたね」 
 
「これは、興味ありますか?」
 
という感じです。
 

 
◇行動変容ステージとは?

 
 
では、ここで改めて

日本保健医療行動科学会の資料を参考に
行動変容ステージを紹介します。
 
http://www.jahbs.info/TB2017/TB2017%201-2-3.pdf
 
以下の5つのステージが紹介されています。

=============

・無関心期:
 
  行動変容に関心がない時期
 
・関 心 期:
 
  行動変容に関心はあるが,まだ実行する意思がない時期

・準 備 期:
 
  行動変容に向けた行動を実行したいと思っている時期
 
・実 行 期:
 
  明確な行動変容が観察されるが,その持続に自信がない時期
  
・維 持 期:
 
  明確な行動変容が観察されて,その持続に自信がある時期
 
=============
 
以上のような五つのステージが紹介されています。
 

両価性の状態は、
 
前半の二つ
 
・無関心期
 
・関心期 
 
のステージで、
 
・行動変容に関心がない
 
・行動変容に関心はあるが,まだ実行する意思がない時期
 
キーワードは、
 
 【関心】
 
 【意思】
 
ですね。
 


◇両価性の状態を知る方法
 


両価性の状態を知る方法としては、相手の発言がヒントになります。
 
シンプルです。
 

 

 

 
それは、
 
「でも、・・・」
 
「だって、・・・」
 
「どうせ、・・・」
 
 例)「どうせ運動しても何も変わらないから・・・」
 
という、発言があるときは、
 
準備期には、入っていないと判断できるでしょう。
 
この状態の時に、医療従事者側が、正しいと思うことを無理に押し付けようと<説得>になります。
 
そうすると、
 
相手は、さらに反論したり、意固地になり双方にとって、望ましい方向とは反対の行動をとってしまうこともあるので要注意です。
 
やはり、 

前述したように、
 
まずは、
 
 ・傾聴して、
 
 ・共感を続ける ことが大切です!
 
【問題解決】を急がず、
 
【相手の理解】

【相手の関心の理解】に時間を使いましょう!
 
ここは、焦らず、じっくりと。
 

 
◇是非、有効活用を!

 
 
改めて、いかがでしょか?
 
今までの臨床、あるいは私生活で【行動変容ステージ】という概念は利用されておりましたか?

各々の背景によって、当然その時の行動変容ステージは異なります!
 
一所懸命励ましながら、アドバイスしてもなかなか行動が変わらないこともあるかと思います。
 
そのようなときに、このステージを知っていると
 
 ・相手の行動、
  
とともに、

 ・自分の行動 の

理解もより深まります。
 
行動が理解できると、不必要なイライラ感情などをあまり感じなくなります。
 
是非、普段から臨床、私生活において、必要な場面では思い出せるように準備しておくことをおススメいたします。
 
(今、記憶してしまうといいですね)
 
  
すべての人々のハッピーのために。
 
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対話的腰痛アプローチ 
Interactive Low back Pain Technology(ILPT) 
主宰 赤羽秀徳 
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