こんにちは。赤羽秀徳です。
私生活や仕事上の
コミュニケーションにおいて、
「説得」と「納得」の
違いを意識してますか?
- 子育て
- 夫婦の関わり
- 患者さん、利用者さんに対して
- 職場のスタッフに対して
など、
様々な場面がありますが、
いかがででしょうか?
◆「説得」と「納得」
「説得」は、
こちらの望み通りに相手を変えること
であり、
「納得」は、
相手がこちらの要望に同意し、
対応してくれて、相手が変わる
という感じだと私は思っています。
一言でいうと、
- 「説得」は、相手を変える。
- 「納得」は、相手が変わる。
◆「説得の心理学」
人との関わりにおいては、
「納得」の方が、理想であり
関係性が温かなものに
なりやすいと思っています。
そんなことを
いつも思っているのですが、
人との関わりにおいて、
どのように「説得」したらよいのかが、
「説得の心理学」と題された論文1)に
書かれていると
医学書院発行の「週間 医学界新聞」2)
に掲載されていました。
ちょっと気になったので
今回はその記事を少し掘り下げて
考えてみたいと思います。
◆「説得」の6つ原則
「説得」には、6つの原則があるとされています。
1)好意を示す……
・人々は、好意を示してくれた相手の説得に応じる
2)心遣いを怠らない……
・人々は親切な行為を受けると、それに応えようとする
3)前例を示す……
・人々は、自分とにている相手に従う
4)言質を取る……
・人々は、はっきりと約束したことは守る
5)権威を示す……
・人々は、専門家に従う
6)稀少性を巧みに利用する……
・人々は、自分にないものを求める
以上の6つ。
いきなり、6つ出されても
イメージしにくいかと思いますので、
実際の仕事や私生活に
実践しやすいように、
ILPTでお伝えしていることを基に
具体的にみていきましょう!
◆具体的な関わり方
1)好意を示す……
・人々は、好意を示してくれた相手の説得に応じる
⇒接するときの表情で大きく変わるでしょう。
自然な笑顔、相手の良い所を探す
そして、相手に対して感謝の
心構えがあれば好意は伝わるでしょう。
* *
2)心遣いを怠らない……
・人々は親切な行為を受けると、それに応えようとする
⇒「思い」を「思いやり」として行為にすることが
理想だと思います。
言葉にして気持ちを伝えることも
親切な行為になるでしょう。
* *
3)前例を示す……
・人々は、自分と似ている相手に従う
⇒自分が率先して、「挨拶」「笑顔」を意識したり、
家庭であれば、靴をそろえたり、身の回りを整理
することで、手本となり相手にも「よい影響」が及ぶでしょう。
* *
4)言質を取る……
・人々は、はっきりと約束したことは守る
ちょっと難しい言葉ですね。
「げんちをとる」と読み、
言質を取るとは、
「交渉事などで、後から証拠・保証になるような
言葉を相手から引き出すこと」のようです。
⇒温かな関係を築くことから
考えたら、より深く相手を
理解するために確認すること、と
いえるかと思います。
患者さん、利用さんにだったら
「このエクササイズは、自宅でできそうですか?」
子どもだったら、
「この宿題は、いつまでに出来そう?」
と相手のことを確認するというのは、
いかがでしょうか?
* *
5)権威を示す……
・人々は、専門家に従う
⇒相手が自己決定、自己選択できるような
「情報提供」をしていくといいですね。
* *
6)稀少性を巧みに利用する……
・人々は、自分にないものを求める
⇒まずは、自分にはないと「気づく」ために
状況把握の質問をし、相手が求めてきたら
支援をしていきたですね。
* *
以上、6つの原則を
私なりに簡単に例をあげて
解説してみました。
キーワードとしては、
・笑顔
・良い所
・感謝
・言葉
・手本
・理解
・情報提供
・気づき
などがあげられるでしょう。
◆相手を変えようとしていないか?
以上、「説得の心理学」で
言われていることを
ILPTでお伝えしていることを元に
みてきました。
「説得」といういう
タイトルではありますが、
相手に「納得」していただくような
関わりとして利用できそうだと感じました。
それは、解説で書かせていただいた
・笑顔
・良い所
・感謝
・言葉
・手本
・理解
・情報提供
・気づき
というキーワードからも
理解して頂けるかと思います。
狭義の「説得」でしたら、
・示す
・利用する
・従う
というキーワードでの
理解になってしまうかと
思いますが、
そのレベルだと、
温かな関係は築きにくいでしょう。
(すみません。元の参考文献1)を
読んでいないので誤解も
あるかもしれません)
◆まとめ
・自分の望むように相手を変えようとする意味で
「説得」を使うのは、注意しましょう。
・相手が「納得」して自己選択により
行動できる関わりを!是非。
すべての人々のハッピーのために。
IAIR認定アドバンスインストラクター
複合的腰痛アプローチ
IAIR Low back Pain Technology(ILPT)
主宰 赤羽秀徳
追伸:
「変える」を「変わる」に「変える」とハッピーに!
参考書籍:
1)ロバート・B・チャルディーニ.「説得」の心理学.マネジャーの教科書――
ハーバード・ビジネス・レビュー マネジャー論文ベスト11.ダイヤモンド社;2017.pp.97-119
2)井部俊子:「ものごとの頼み方の作法―三顧の礼」.週間 医学界新聞.2018年1月22日.医学書院