【ILPT便り】第118回『 今求められる寝たきり予防法とは? 』  

寝たきり

–●○ ILPT主宰 赤羽秀徳  ○●–

寝たきり。

その予防のため、リハビリ専門職として
あなたはどんな取り組みをされていますか?

あるいは、

どんな取り組みをされてきましたか?

・・・

・・・

・・・

寝たきりの期間が少ない方がいいですよね。

(私の目標は、寝たきりになるのは、3日のみ)

そのために健康寿命の延伸ということが言われています。

 

◇寝たきり予防法の例

 

まずは、

一般的に考えられるで
寝たきり予防法を
振り返ってみましょう。

・転倒予防

転倒して骨折し、身心機能が低下してしまうことはよくありますね。

・食事

適切な量、バランスの良い食事、食事の時間など
これも、身心の健康のために様々な取り組みがなされるでしょう。

・運動 

 転倒予防ともつながりますが、身心機能の維持・向上の

ために、一般的に推奨されています

など、

他にも様々な取り組みがあるかと思います。

(他の人はあまりやってなさそうだけど、
これは、是非おススメ!というものがありました
お教えください)

 

◇新しい寝たきり予防法

 

今、あげたのはほんの一例ですが、
今回紹介したいのは、ちょっと別の観点
からの研究です。

カリフォルニア大学の
スティーブ・コール教授の研究。

この情報は、
2018年6月6日19時30~20時15分に
NHK総合で放送されたものです。

スティーブ・コール教授は、
グループごとに

・「人に親切にする」

・「世の中に役立つことをする」

・「自分が嬉しいこと」を

1か月間継続してもらったようです。

**

その結果、

「人に親切にする」のグループに、

「炎症や遺伝子の働きに良い変化が現れた」

とのこと。

**

「スティーブ・コールは人類の進化の歴史に答えがあると話した。

人類が生き残ってこられたのは群れを作り、助け合うことをしてきた。

人間にとって仲間との協調性を失うことは命の危険を意味する。

そんな時体が緊急事態を察知して炎症モードに入るという。

親切にすることはより多くの人と助け合うグループを作るための有効な手段。

人は親切を喜びと感じ、体も良い反応するようプログラムされている」

とで報告しています1)。

また、日本で行われた解析結果では、

1人で しっかり 運動するよりも
グループで 軽め の運動をした方が介護予防効果がある。

という報告もあるようです1)。

 

◇選択理論心理学で考えると

 

では、以上のことを
選択理論心理学的に
みてみましょう。

(コースに参加されている方は、復習として、
これからの方は、予習として)

まずは、
行動の目的から。

「選択理論によれば、人は、五つの基本的欲求を満たして、
良い気分(幸せ)を味わうために、行動していると考える」

とされており、

その五つとは、

(コース参加者は、先をみないで復習してみましょう!)

1.

2.

3.

4.

5.

・・・

・・・

・・・

・・・

では、確認していきましょう!

・「生存」の欲求

・「愛・所属」の欲求

・「力」(承認)の欲求

・「自由」の欲求

・「楽しみ」の欲求

であり、

これらを満たすと人は幸せを感じ、
満たさないと幸せになれないというものです。(でしたね)

もう少し詳しくみると、

<5つの基本的欲求>は、

1.生存の欲求:

⇒ 食べたい、寝たい、休みたい

2.愛・所属の欲求:

⇒ 愛し愛されたい、仲間の一員でいたい

3.力(承認)の欲求:

⇒ 認められたい、達成したい、人の役に立ちたい

4.自由の欲求:

⇒ 自分のことは自分で決めたい、強制されたくない

5.楽しみの欲求:

⇒ 自分の好むことをした、楽しみたい

の五つです。

 

◇ “カギ”のとなる欲求は?

 

さて、

上記、五つの欲求は、どの欲求を満たすことも大切ですが、
全ての欲求をバランスよく満たすために、カギとなる
欲求がありましす。(したね?)

(再度、コース参加者は、先をみないで復習してみましょう!)

・・

・・

・・

・・

はい!

・・

・・

・・

そうです!

・・

・・

・・

「愛・所属」の欲求です。

『身近で、大切な人との間で、「愛し愛されている」

と感じることができれば、人間としての存在を

「認められている」と感じることができ、「力」(承認)の欲求を

満たすことができます。

そんな時には、一緒にいて楽しく過ごせるので、「自由」や「楽しみ」の
欲求も満たせます。

ストレスを感じることも減り、脳は免疫系にも深くかかわっているので、
「生存」の欲求も満たしやすくなります。

と、「ラジオ!幸せを育む素敵な人間関係」
宇都宮 民・愛媛選択理論研究会 著に書かれています。

「愛・所属」の欲求が満たされる事が、カギです。

 

◇人に親切にする

 

さて、ここで、先ほどのスティーブ・コール教授の報告に
戻りましょう。

その報告では、

・「人に親切にする」

・「世の中に役立つことをする」

・「自分が嬉しいこと」を

1か月間継続してもらった結果、

↓↓

「人に親切にする」のグループに、

「炎症や遺伝子の働きに良い変化が現れた」

とのことでした。

これを、選択理論に当てはめて考えてみましょう。

1.「人に親切にする」ことで、

「愛・所属」の欲求と「力」の欲求を満たせるでしょう。

2.「世の中に役立つことをする」ことで、

「力」の欲求と、内容によっては、「楽しみ」の欲求も満たせるでしょう。

3.「自分が嬉しいこと」をするは、

「楽しみ」の欲求と「自由」の欲求が満たせるでしょう。

このように考えると、

・「人に親切にする」

・「世の中に役立つことをする」

・「自分が嬉しいこと」

の三つの中で、

「愛・所属」の欲求が満たされれるのは、

「人に親切にする」といえるかと思います。

改めて、

「愛・所属」の欲求が、カギであり、それを満たすことの大切さがわかりますね。

◇ 愛されたい

「愛・所属」の欲求は、1人では満たせません。

「愛されたい」があるからです。

「愛する」ことはできますが、
「愛される」には、もう一人
必要になります。

そのような観点からも、

「1人でしっかり運動するよりも
グループ軽めの運動をした方が介護予防効果がある」

という報告は納得できそうですね。

グループで軽めの運動という場面は、
デイサービス等であれば
提供しやすいと思います。

しかし、デイサービスに来ていても、
モチベーションが上がらず、
グループに参加したがらない方も
いらっしゃるかもしれません。

「自由」の欲求が強すぎると
その傾向になりやすと予想されます。

以前もお伝えしましたが、
集団の中の孤独は、命取り

とも言われています。

 

寝たきり

 

◇ まとめ

 

我々、リハビリ専門職として、

「人に親切にする」こと

「グループで軽めの運動をする」ことが、

寝たきり予防につながるという意識を持つと、
利用者さん、患者さんとへの
情報提供の仕方も変わってきませんか?

「一番お金のかからない贈り物は親切
そしてそれが、一番の贈り物」
(By ボブ・ケリー)

とも言われています。

改めて、

「愛・所属」の欲求を満たす支援の輪を
広げていきたいですね。

すべての人々のハッピーのために。

 

IAIR認定アドバンスインストラクター
複合的腰痛アプローチ
IAIR Low back Pain Technology(ILPT)
主宰 赤羽秀徳

引用記事

1)筋肉&血管を強くする!世界が証明した究極の寝たきり予防法
2018年6月7日 (木)配信Live on TV