【ILPT便り】第108回『「変える」を「変わる」に「変える」と!? 』 

説得

こんにちは。赤羽秀徳です。

私生活や仕事上の
コミュニケーションにおいて、
説得」と「納得」の
違いを意識してますか?

  • 子育て
  • 夫婦の関わり
  • 患者さん、利用者さんに対して
  • 職場のスタッフに対して

など、

様々な場面がありますが、
いかがででしょうか?

 

◆「説得」と「納得」

 

「説得」は、

こちらの望み通りに相手を変えること

であり、

「納得」は、

相手がこちらの要望に同意し、
対応してくれて、相手が変わる

という感じだと私は思っています。

一言でいうと、

  •  「説得」は、相手を変える
  •  「納得」は、相手が変わる。

 

◆「説得の心理学」

 

人との関わりにおいては、
「納得」の方が、理想であり
関係性が温かなものに
なりやすいと思っています。

そんなことを
いつも思っているのですが、

人との関わりにおいて、
どのように「説得」したらよいのかが、

「説得の心理学」と題された論文1)に
書かれていると
医学書院発行の「週間 医学界新聞」2)
に掲載されていました。

ちょっと気になったので
今回はその記事を少し掘り下げて
考えてみたいと思います。

 

◆「説得」の6つ原則

 

「説得」には、6つの原則があるとされています。

1)好意を示す……

・人々は、好意を示してくれた相手の説得に応じる

2)心遣いを怠らない……

・人々は親切な行為を受けると、それに応えようとする

3)前例を示す……

・人々は、自分とにている相手に従う

4)言質を取る……

・人々は、はっきりと約束したことは守る

5)権威を示す……

・人々は、専門家に従う

6)稀少性を巧みに利用する……

・人々は、自分にないものを求める

以上の6つ。

いきなり、6つ出されても
イメージしにくいかと思いますので、
実際の仕事や私生活に
実践しやすいように、

ILPTでお伝えしていることを基に
具体的にみていきましょう!

 

◆具体的な関わり方

 

1)好意を示す……

・人々は、好意を示してくれた相手の説得に応じる

⇒接するときの表情で大きく変わるでしょう。
自然な笑顔、相手の良い所を探す
そして、相手に対して感謝
心構えがあれば好意は伝わるでしょう。

* *

2)心遣いを怠らない……

・人々は親切な行為を受けると、それに応えようとする

⇒「思い」を「思いやり」として行為にすることが
理想だと思います。

言葉にして気持ちを伝えることも
親切な行為になるでしょう。

* *

3)前例を示す……

・人々は、自分と似ている相手に従う

⇒自分が率先して、「挨拶」「笑顔」を意識したり、
家庭であれば、靴をそろえたり、身の回りを整理
することで、手本となり相手にも「よい影響」が及ぶでしょう。

* *

4)言質を取る……

・人々は、はっきりと約束したことは守る

ちょっと難しい言葉ですね。
「げんちをとる」と読み、

言質を取るとは、

「交渉事などで、後から証拠・保証になるような
言葉を相手から引き出すこと」のようです。

⇒温かな関係を築くことから
考えたら、より深く相手を
理解するために確認すること、と
いえるかと思います。

患者さん、利用さんにだったら

「このエクササイズは、自宅でできそうですか?」

子どもだったら、

「この宿題は、いつまでに出来そう?」

と相手のことを確認するというのは、
いかがでしょうか?

* *

5)権威を示す……

・人々は、専門家に従う

⇒相手が自己決定、自己選択できるような
情報提供」をしていくといいですね。

* *

6)稀少性を巧みに利用する……

・人々は、自分にないものを求める

⇒まずは、自分にはないと「気づく」ために
状況把握の質問をし、相手が求めてきたら
支援をしていきたですね。

* *

以上、6つの原則を
私なりに簡単に例をあげて
解説してみました。

キーワードとしては、

・笑顔

・良い所

・感謝

・言葉

・手本

・理解

・情報提供

・気づき

などがあげられるでしょう。

◆相手を変えようとしていないか?

以上、「説得の心理学」で
言われていることを
ILPTでお伝えしていることを元に
みてきました。

「説得」といういう
タイトルではありますが、

相手に「納得」していただくような
関わりとして利用できそうだと感じました。

それは、解説で書かせていただいた

・笑顔

・良い所

・感謝

・言葉

・手本

・理解

・情報提供

・気づき

というキーワードからも
理解して頂けるかと思います。

狭義の「説得」でしたら、

・示す

・利用する

・従う

というキーワードでの
理解になってしまうかと
思いますが、

そのレベルだと、
温かな関係は築きにくいでしょう。

(すみません。元の参考文献1)を
読んでいないので誤解も
あるかもしれません)

◆まとめ

・自分の望むように相手を変えようとする意味で
「説得」を使うのは、注意しましょう。

・相手が「納得」して自己選択により
行動できる関わりを!是非。

すべての人々のハッピーのために。

IAIR認定アドバンスインストラクター
複合的腰痛アプローチ
IAIR Low back Pain Technology(ILPT)
主宰 赤羽秀徳

追伸:

「変える」を「変わる」に「変える」とハッピーに! 

参考書籍:

1)ロバート・B・チャルディーニ.「説得」の心理学.マネジャーの教科書――
ハーバード・ビジネス・レビュー マネジャー論文ベスト11.ダイヤモンド社;2017.pp.97-119

2)井部俊子:「ものごとの頼み方の作法―三顧の礼」.週間 医学界新聞.2018年1月22日.医学書院