【ILPT便り】 第96回 『 「幸せ」な人は腰痛が長引かないのか!? 

幸せ

こんにちは。赤羽秀徳です。

突然ですが、
質問です。

現在、関わっている腰痛を訴える方

あるいは、

過去に関わった腰痛を訴える方で、
次のようなにおっしゃる方は、
いますか?

・「活動的であることは、
 あまり安全とは思えない」
  
・「体を動かすと腰を痛めつけてしまう」
  
・「腰痛を悪化させる動きは、全くできない」

など

いかがでしょうか?
すでに、
ILPT腰痛治療セミナー、あるいは、
ILPTメインコースを受講された方は、
わかると思いますが、
これらの発言は、
「恐怖回避モデル」で
説明されています。

「恐怖回避モデル」は
慢性腰痛の方に関わる際の
重要な視点として、
ILPT腰痛治療セミナーの中で
紹介しました。

参加された方は、
覚えていますか?

そして、

臨床や私生活でその情報を
活かしていますか?

私は、予後の予測や
今後の方針決定などに
かなり役立っています。

◆恐怖回避モデル

 

では、ここで、
恐怖回避モデルを丁寧に
振り返ってみましょう。

せっかくの振り返り
あるいは、予習なので
(  )に何が入るか
一緒に考えてみましょう。

では、
始めに、「軽快・回復」
向かうケースから
考えてみましょう!

1.激痛の発症
 
   ↓
 
2.痛みの体験 
 
   ↓ 
 
3.情報が入る
   
  (A:   )情報
 
   励ます態度
 
   ↓その結果
 
4.不安や恐れがない状態 
 
   ↓
 
5.(   )的に痛みと向き合える
 
   ↓
 
6.軽快・回復 
 
となり、改善していきます。

これは、理想の状態ですね。

A,Bの(  )に何が入るか
わかりましたか?

Aは、(正しい)情報

Bは、(楽観的)に痛みと・・

です。

すでに、セミナーを受講された方は、
正解できましたか?

では、
今度は、
痛みが改善しにくい場合、

いわゆる、
「負のスパイラル」
確認していきましょう!

1.激痛の発症
 
   ↓
 
2.痛みの体験 
 
   ↓ 
 
3.情報が入る
   
   (A:   )情報
 
   ↓
 
4.ネガティブな感情になる
 
   ↓
 
5.(B:   )な解釈
 
   ↓ 
 
6.痛みへの不安・恐れ感
 
   ↓
 
7.過剰な警戒心・
  回避行動
   
   ↓
 
8.廃用・機能障害・うつ傾向
 
   ↓
 
9.痛みの体験=2 

を繰り返す
という流れでしたね。

いかがでしたか?
(  )に何が入るか
わかりましたか?

A:(脅迫的な)情報

B:(悲観的)な解釈

です。

この方が、少し
難しかったかもしれませんね。

 

◆もし、負のスパイラルに陥っていたら

 

では、ここで、
あなた自身が
「恐怖回避モデル」の
負のスパイラルの状況に
なっていると想像してみて
ください。

その場面のあなたなら
以下の質問に何点をつけますか?

以下の4つの質問に
5段階でお答えください。

5段階の内訳は、

5:すごくそう思う

4:ややそう思う

3:ふつう

2:ややそう思わない

1:全くそう思わない

です。

質問1:

最近、本当にやりたいことができていると思う。

⇒ 点数: /5

質問2:
  
最近、あらゆるものごとへの
感謝の気持ちが湧き起こっている。

⇒ 点数: /5

質問3:
 
最近、何が起こっても
「なんとかなる」
という思いになっている。

⇒  点数: /5

質問4:
 
最近、人の目を気にせず、
しっかり自分の軸があると感じる。

⇒ 点数: /5

できましたでしょうか?

ありがとうございます。

 

◆幸せの4つの因子

 

さて、
お気づきの方も
いらっしゃると思いますが、

この質問は、以前お届けした
【ILPT便り】第92回
「幸せの4つの因子」について
お聞きしたものです。

四つ因子は、

・第1因子:
「やってみよう」

夢、目標、強み、成長、
自己肯定感

・第2因子:
「ありがとう」

感謝、利他、許容、
承認、信頼、尊敬
自己有用感

・第3因子:
「何とかなる」

前向き、楽観的
自己受容

・第4因子:
「ありのままに」
独立、自分らしさ

でしたね。

◆ぎっくり腰になっても

では、ここで、
予測してみてほしいのですが、

普段から、
幸せ度が高い、つまり、
各因子が4点、5点の人が

ぎっくり腰になった時に
同じ質問に答えたら
どうなるでしょう。

私の勝手な想像ではありますが、
そんな方は、激痛が生じたときにも

4点、あるいは、

5点がつくのではないかと
思っています。

一番のヒントは、

「なんとかなる」

という、

楽観的に痛みと向き合える
ことかと思います。

そう思えると、
やってみよう!と思えて、
今の自分にできることから
痛みがあったとしても
始められそうな感じがします。

◆腰痛対処・予防医学としての幸福学

この様にみていくと、
恐怖回避モデルの
負のスパイラル
にならないように
支援していくことは、

本人がより「幸せになる」因子
を増やす支援をしていること
にもなると感じます。

逆に、

「幸せになる」ための
取り組みをしていくことは

ぎっくり腰など
激痛を生じた時に
負のスパイラルに陥ることを
防げるのではないかと思っています。

つまり、

予防的観点から、

今痛みを感じていない人でも
幸せになるための取り組みを
していくことで、

激痛などの
困難にできわした場面での

・行動習慣

・思考習慣形成され

腰痛の慢性化を
防げるのではないか
ということです。

いかがでしょうか?

…。

腰痛の慢性化を防ぐこと

あるいは、

腰痛の予防は、

「幸せを追求する」ことと、

深い関連がありそうというです。

この点は、今後
学術的にも深めていきたいですね。

すべての人々のハッピーのために