IAIRコラム No132『 今までの臨床とは全然違うものになってきています! 』

自己管理

No132『 今までの臨床とは全然違うものになってきています! 』

★☆ 腰痛治療 × 温かな人間関係 ☆★

こんにちは。ILPT 主宰 赤羽秀徳です。

先日新潟で
ILPT腰痛治療セミナーを
開催してきました!

セミナー翌日
参加者の Tさん から
嬉しい感想をいただきました。

「今まではあまり話も聞かずに 
テクニックでどうにかしようと
ばかりしていました。。。
 
会話の内容もどうでも良いような
ことだったことを反省しました。

翌日から今までの臨床とは
全然違うものになってきています!
 
患者さんと向き合えている
感じがします」

という感想です。

Tさん
感想を送っていただき
ありがとうございます。

ILPT腰痛治療セミナーがきっかけで、
臨床が“全然違うもの”になってきたとのこと

本当に講師として冥利に尽きます!

★相手が望む結果が出ていますか?

あなたは、いかがでしょうか?

例えば、
長引く慢性的な痛みに

「テクニックでどうにかしよう」
とばかり思っていますか?

「会話の内容」は、
吟味されていますか?

大切なのは、
相手の価値観や状況を
しっかり把握した上で

相手の望みを一緒に確認し、
こちらの様々なテクニックも
利用しながら、

望む結果が出ているか?

ということだと思っています。

鍵は「自分でコントロールできる」こと

実は、主観的な痛みの程度について
2006年にKalisch Rさんらが
大変興味深い研究1)を報告
されています!

それは、
「痛みを自分でコントロール
できると意味づけすることで
主観的な痛みは減少する」

というものです。

実験では、
徐々に増えていく痛み刺激に対して、
以下の3条件で刺激を停止し、

その時の主観的な痛みを
計測されたようです。

条件は、

1.自分で止められる

2.他人が止める

3.コンピュータが
ランダムに止める

の3条件。

その結果、

1 が最も主観的な痛みが
少なかったようです。

この実験から、改めて、

痛みは、
「自分でコントロールできる」
と思っていることが、

痛みの改善として重要なことが
わかりますね。

医療従事者に原因があることも

そこで、
質問です。

あなたが関わっている方で、
痛みが長引いている方は、
ご自身の痛みを

「自分でコントロールできる」
と思っていますか?

もし、

「自分でコントロールできる」と
思っていないとしたら、

医療従事者側の対応が
次のようになっていないか
チェックしてみる必要が
あるといわれています2)。

4項目あります!

① 痛みに対する視野の狭い
医学モデルに固執し、
長期的治療プランもないまま
一時的な鎮痛処置に重点を置く

②セルフケアの意欲を失わせ、
自己管理に関する
アドバイスができない

③患者を身体障害者と決めつけ、
機能回復へ向けた
介入を行なわない

④過剰な検査を行ない、
「壊れた部品仮説」を
信じ込ませようとする

・・・

①の鎮痛処置の代表は、

湿布ですね。

②の意欲を失わせる代表は、

「歳ですから・・」

③の機能回復へ向けた介入を
行わないは、

「機器中心の介入」

④の「壊れてた部品仮説」は、

「ここが狭くなっていますから」

など。

いかがでしたか?

当てはまるものは、
ありましたか?

このような対応になっていると
ご本人も治療に対して、

能動的にはなりにくく、
「自分でコントロールできる」とは、
思わなくなってしまいますよね。

自己管理に向けて

長引く痛みを訴える方に、
痛みを感じたとき
どのような対処されているかを、

伺ってみると
改善すべき対応点の
答えが返ってくるでしょう。
経過が長くなっている方は、
なかなか能動的に対処しようと
してくれないこともあるかと思います。

こちらが、いくら“正しい”と
思っていることを伝えても、
相手の行動は変化しないかも
しれません。

でも、あきらめないで下さい。

ある介入をして
変化“実感”すると

「自分でやるにはどうしたらいいですか!!」

あるいは、

「自分でも対処できるんだ!」

その“実感”を通して感動し、

治療に前向きになり
痛みを感じにくくなっていく
ことが期待できるでしょう!

 

今回は、

慢性痛の方への対処法について
考えてみました。
・相手の価値観、状態を把握して
 
・こちらのテクニックも有効に利用しながら、
 
・痛みは「自分でもコントロールできる」
 と思っていただけると

結果が出やすいとでしょう…

慢性痛改善のヒントと
なりましたでしょうか?

すべての人々のハッピーのために。

文献1)Kalisch R, ,et al. Neural correlates of
self-distraction from anxiety and a process model of cognitive emotion
regulation. J Cogn Neurosci. 2006 Aug;18(8):1266-76

文献2)ニュージーランド事故補償公団 編
「急性腰痛と危険因子ガイド」 2010

国際統合リハビリテーション協会
認定アドバンスインストラクター

複合的腰痛アプローチ
IAIR Lumber back Pain Technology(ILPT)主宰

赤羽秀徳

追伸:

慢性痛の管理は、車の運転と似てますね。

もし、他人がハンドルを操作していたら、
ひやひやして、落ち着きませんよね。

そんな話もしています。

詳細・受付は、こちらから→ https://akahalabo.com/seminar