運動で「座りっぱなし生活」の健康リスクを相殺


座りっぱなしの生活をしているカウチポテト族は、その時間の一部をジムの時間にあてれば健康への長期的影響が少ない可能性があることが、米国がん協会(ACS)のKerem Shuval氏らの研究で示唆された。研究結果は、「Mayo Clinic Proceedings」オンライン版に7月14日掲載された。

運動をよく行っている人は、座りっぱなしのライフスタイルが健康に及ぼす高血圧などの悪影響の一部を阻止することができ、また体脂肪が少ない。今回の研究では、テキサスクリニックの成人男性患者1,300人超が、テレビを見て過ごす時間と車に乗っている時間を追跡した。1981~2012年の定期的なクリニック受診時に、トレッドミルを用いて被験者の健康レベルを調べた。

Shuval氏らによれば、長期間非活動的であることは高血圧、高コレステロール、体脂肪増加、血中脂肪増加、HDLコレステロール低下につながる。健康状態のデータを調整したところ、長時間の非活動は血中脂肪のみを増加させ、善玉コレステロールを減少させた。また、健康であるほど、肥満やその他の代謝関連疾患リスクが低下した。今回の研究には、非活動的な時間の測定能力が被験者の申告の正確性に左右されるという限界がある。

Shuval氏らは、「非活動時間の減少と代謝関連疾患リスクとの関係をさらに探る必要があるが、健康とこれらの疾患リスクとの関係は明らかだ。疾患予防のため、健康状態を高めるよう勧める必要があると思われる」としている。

原著論文はこちら
Shuval K, et al. Mayo Clin Proc. 2014 Jul 8.[Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25034308